少林寺拳法とは



少林寺拳法は1947年、日本において宗道臣が創始した"人づくりの行"です。自分の身体と心を養いながら、他人とともに援け合い、幸せに生きることを説く「教え」と、自身の成長を実感し、パートナーとともに上達を楽しむ「技法」、そして、その教えと技法を遊離させず、相乗的なスパイラルとして機能させる「教育システム」が一体となっています。人間は生まれながらに、どのようにも成長してゆける可能性を秘めています。少林寺拳法は、その可能性を信じて自分を高め続けられる人、周囲の人々と協力して物心両面にわたって豊かな社会を築くために行動できる人を育てています。

少林寺拳法の六つの特徴



修行のあり方

挙禅一如(体と心を共に鍛える)

「拳」は肉体を、「禅」は精神を意味します。身体と心は別々のものではなく、互いに影響を及ぼす一体のものです。少林寺拳法では、身体と心を、どちらかに偏らせることなく、バランスよく修養します。


行動のあり方

力愛不二(少林寺拳法の目指す行動原理)

慈悲心や正義感に溢れていても、力がなければ誰かの役に立ったり助けたりすることはできません。また、どれだけ力があっても誇りや信念がなければ、正しい力の使い方はできません。力と愛、理知と慈悲の調和こそ少林寺拳法の行動規範です。


技法運用のあり方

守主攻従(技と人格の向上をめざす修行の在り方)

少林寺拳法の技法は、不正な暴力から身を守るためにあります。そのため、まず守り、それから反撃する技法体系となっています。また、確かな守りの体勢を築くことで、相手の弱点を冷静に見極め、有効な反撃ができると考えています。

不殺活人(相手を殺さず、活かす)

少林寺拳法の技法は、誰かを傷つけるためのものではなく、自分や他人を守り、活かすためのものです。少林寺拳法の技法は、人の可能性を実感させ、成長の喜びを味わうために修練されます。


技法の特徴

剛柔一体(さまざまな攻撃に対処する)

少林寺拳法の技法には、突き・蹴りなどに対し、受け・かわしから当身で反撃する「剛法」と、手首を握る・衣服をつかむなどに対して、抜き・投げ・固めなどで反撃する「柔法」があります。剛法と柔法は、互いの特徴を活かしあい、巧みに組み合わせることによって、効果を倍増させることができます。


組手主体(鍛え合い共に成長する修練システム)

少林寺拳法の修練は、二人一組で行うことを原則とします。これは、相手の行動に適切かつ柔軟に対処できる実戦的な技法を養うためであると同時に、共に協力して上達し、その喜びを分かち合うためです。